出版界で働いていると漫画家さんと接する機会があるのですが、絵はいい線いっているのに残念ながら知識不足だなぁ、と思うことがときどきあります。
「どうしてもっと調べて描かないのでしょうか?」厳しい言い方かもしれませんけど、興味があるから漫画を描いたのはわかりますが、読み手に知識不足を指摘されるようでは商業誌としては使えません。
考えてみると、おもしろいと感じる実録系漫画の多くは、作家さんがその世界に精通(もしくは勉強)していて、読者の知らない知識を実状を裏情報をわかりやすくみせてくれているからおもしろいんじゃないかと思います。いくら娯楽の漫画とは言え、誰もが知っているありふれた情報じゃあ興味が湧きませんからね。
この作品は能楽の世界を描いています。能楽って......あんまり身近じゃありませんよね。私も興味がないことはないのですが、これまで舞台を観る機会はありませんでした。正直よくわからないし。。。
まず1巻を読み終えて違和感を覚えました。これまでの成田先生の作品らしくない。なんでだろう? 読み進めて行くうちにわかりました。成田先生はこの作品を描くまで能楽の知識はほとんどなかったそうです。掲載が決まってから、さあ大変。取材はもちろん、年間100舞台の観覧を目標に掲げています。ベテラン漫画家にしてこの情熱は凄過ぎます。
そこで気が付きました。そうか。能楽の世界を描くので手一杯で作品を遊ぶ余裕がなかったんだ。3巻あたりからだいぶ余裕がでてきた気がします。
能楽がわからない人にもわかるように漫画の節々に能楽の解説(役が舞台配置等)が入っているので親切です。へぇーと感心しながら読みました。これを読むと能楽を実際に観覧してみたくなります。この気持ちはもしかして......漫画「ヒカルの碁」を読んで囲碁を始めた子どもたちと同じようなような気分なのかなっと思いました。
知識がなければ徹底的に取材をして描く。記者も漫画家も同じですね。
6巻では恋の予感が! あぁ、早く最新刊を! 月刊誌は単行本化が実に待ち遠しいです。
著者:成田 美名子
販売元:白泉社
発売日:2008-11-05
花よりも花の如く 5 (花とゆめCOMICS)著者:成田 美名子
販売元:白泉社
発売日:2007-08-17
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